劇作家としてあまりにも有名なシェークスピア。そのほとんどの作品が400年以上経た今なお色褪せず、世界の劇作界の頂点に君臨し続けているのは、古今東西変わらない人間の真実を描き切っているからなのでしょう。イギリスではこの音読と名セリフの暗誦は、小学校から必修のカリキュラムです。
 こころの栄養をたっぷり含んだシェークスピア作品は、現代の子どもたちにこそ、ふれてほしいものです。しかしシェークスピア作品は、なかなか児童向けに仕上げにくいのも事実です。それを解決したのが、かかし座が50余年かけて培ってきた『影絵劇という手法』でした。色とりどりの光の絵(カラー・シルエット)は、この壮大なファンタジーを表現するにふさわしく、そして、TV世代の子どもたちの理解を十分に補えます。また、会場内を乱舞する妖精たちや、船の帆のようにゆれる大スクリーンに映し出される大嵐のシーンなどは、影絵劇ならではの舞台効果です。
 さらに音楽はロシアの大作曲家、チャイコフスキーの名曲・幻想序曲「テンペスト」を使用しています。当時から世界的に知られていたシェークスピアの「テンペスト」は、題材としてチャイコフスキーの創作意欲をかきたてるものがあったのでしょう。ロマンティックで叙情的な旋律とダイナミズムが共存するこの曲が、舞台全体を盛り上げます。
 “はじめてのシェークスピア”という「古典演劇入門編」は、こうした伝統ある影絵技術と名作、名曲の出会いによってはじめて可能になったのです。
“テンペスト”とは“大嵐”という意味。シェークスピア晩年の作で最後の戯曲と言われています。この作品の終幕近く、主人公プロスペローに言わせた「魔法を捨て、人間の理性の道を選ぼう」という言葉があります。人間のすばらしさと愚かしさの両方を生涯かけて描いたシェークスピアは、最後に人間の善性を信じようとしたのでしょうか。

「テンペスト」は演劇として世界各国で上演されているのはもちろん、映画やオペラにもなっています。のみならず、チャイコフスキーやシベリウス、ベートーヴェンを始めとするたくさんの作曲家が、これを題材とした音楽作品を書き上げています。多方面の芸術家に大きな影響を与えた作品です。


 




原  作……… W.シェークスピア
脚  本 ………西田豊子
演  出 ………後藤圭
音  楽 ………P.チャイコフスキー
石川洋光
振  付……… 糸長静穂
演技指導……… 初谷康正
舞台美術……… 齋藤浩樹
衣  装 ………中矢恵子
影絵美術監修……… 後藤圭
影絵美術 ………若井誠・小島直子・西野陽子・西垣祐子
音  響……… 宮沢正光(ふおるく)
照  明……… 市川滋(ライティング・ムー)
取材協力
ヘザー・ネイル(Heather Neill) 
演劇評論家/元タイム教育新聞ジャーナリスト(ロンドン)
ジュディス・ピード(Judith Pead) 
国際シェークスピア・グローブセンター 国際リレーション室長(ロンドン)
キャリン・ブラウン(Karin Brown) 
元シェークスピア・バースプレイス・トラスト ライブラリーサービス教育部門室長
(ストラットフォード・アポン・エイボン)
ヴィッキー・アイルランド(Vicky Ireland MBE) 
演出家・脚本家/元アシテジ世界理事・元ポルカ劇場芸術監督(ロンドン)
ローマン・ステファンスキー(Roman Stefanski) 
ポルカ劇場 アソシエイトディレクター(ロンドン)
トニー・グラハム(Tony Graham) 
ユニコーン劇場 芸術監督(ロンドン)
小林由利子
(川村学園女子大学教授/アシテジ世界理事)
 
宣伝美術………小田純治
題  字………長島松苑

制  作……… 後藤圭

 

上演時間
1時間20分

使用電力
6kw

必要な設備
暗幕

必要な広さ
間口9m 奥行き8m

対象観客数
会場によって異なります。
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