(2001年3月9日、好評のうちに終演いたしました)

プログラム
低高学年に内容を分けての観劇が可能な二話構成(以下の3作品から選択)


「てぶくろを買いに」 作/新美南吉        (20分)

寒い冬が、キツネの親子のすんでいる森へもやってきました。
ある朝、洞くつから子ギツネがでようとしましたが、「あっ」と叫んで目をおさえながら母さんギツネのところへ転げてきました。
外は一面の雪だったのです。
新美南吉のやさしい気持ちに満ちた童話の世界が北国の田舎の町に展開されます。


「おいの森とざる森、ぬすと森」 作/宮沢賢治 (25分)

お話はずうっと昔、まだ岩手山が噴火をしているところからはじまります。噴火がしずまってだんだん草が生えてくると、そこへ人間たちがやってくるのです。 「ここへ畑起こしてもいいかぁ。」「ここに家建ててもいいかぁ。
森たちは答えます。「いいぞぉ。」

なんとおおらかな世界でしょう。

お話はそこに住みついた人間たちとそれを取り巻く森や山男達、そしてそれを見おろす岩手山のなかですすみます。

「大造じいさんと雁」 作/椋鳩十   (25分)
大造じいさんは狩人です。
鹿児島県の栗野岳のふもとに住んでいました。
大造じいさんの住まいの近くに沼地がありました。
その沼地にガンたちが渡ってくるのです。
大造じいさんはこの沼地を狩場にしていましたが、「残雪」と呼ばれる賢いガンの頭領が渡ってくるようになってから、一羽のガンもとれなくなってしまったのです。



大造じいさんはお互いに知恵を絞って戦います。椋鳩十は綿密な取材・観察から見事に動物の世界を描きます。
この作品ではガンの残雪と大造じいさんの戦いから心の交流、生きていく事のきびしさと素晴らしさを見事に歌い上げているのです。



構成・演出

ふじた あさや
音楽 藤原 豊
影絵美術 後藤 圭

いのうえ 馨

小田 純治
舞台美術 内山 勉
音響 宮沢 正光(ふおるく)
照明 市川 滋
制作 後藤 圭