【CMとクマ】
「ケト゚ペカムイの槍」班 白川明典

 気になるCMがあるんです。それは藤原紀香が出演している某有名衣服のTVコマーシャルです。スチール写真のモデルに扮した彼女がカメラに向かって次々と異なるポーズをとり、矢継ぎ早にシャッターが切られてゆくのですが、その茶目っ気あふれるキャラクターや、細かい仕草に至るまでアピールされたポーズの可愛らしさに、秀逸な演技だなあ、CMのイメージにぴったりだなあ、と感心させられるのです。(同意できない人、どうもすいません。)
 写真の被写体になるときと同様、芝居で舞台に立つ時も「ポーズをとる」という意識を持つことは大切ですよね。つまり上演中、いつ写真を撮られてもサマになるポーズをしていること。換言すれば立ち居振る舞いが絵になるということでしょうか。
 さて、「ケト゚ペカムイの槍」の中で僕は、男二人で「二つ頭のクマ」役を演じています。そのクマは言ってみれば着ぐるみであり、正月の獅子舞のような構造をしていますが、体は一つなのに頭は二つあるので、二人で一つずつ頭を操作するのです。胴体の部分がシンプルに布一枚なので、クマの芝居をしているときは、まるで一着の衣装を二人で着て別方向に引っ張り合っているような状態になります。加えてこの役には獅子舞同様に振り付けがあり、シーンごとのポーズもきちんと決められているので、クマの内側では常に二人三脚のごとくお互いに呼吸を合わせる必要があるのです。
 「立ち居振る舞いが絵になるように!」………永遠の課題ですなぁ、と思いつつ、今日もCMの藤原紀香に見入っている僕なのでした。