【歌唱発表会 報告】
シャドウ班
飯田美紀

『歌は語るように、セリフは歌うように』という言葉があります。
経験を積めば積むほど、これがいかに難しいことか思い知らされます。

去る12月27日、劇団員による歌唱発表会が行われました。
今回初めて企画担当となったのですが、一番頭を抱えたのが課題曲の選定。
語るように歌う、その目標に近付く為にはどうすればよいか。
劇団内の発表会です。
順当に考えればミュージカルナンバーなどが挙げられるのですが、私はそこにひっかかりを覚えました。

代表はよく私達をこう叱ります。
『お前たちの歌は音楽になってない!』
芝居と音楽。
一度にやろうとするからできないんじゃないか?
それならまずはひとつずつ、音楽を作ることから始めてみたらどうだろう。
そのことを観点に、迷いつつも幾つか選曲してみました。

まずは声楽を学ぶ人が必ず通る道『イタリア古典』。
はっきり言って派手さはありません。
一歩間違うと棒読み、お経のようになってしまいます。
この中の『音楽』をいかに感じとれるか。
他にもクラシックのスタンダード曲をいくつか選んでみました。

普段は芝居っ気たっぷり、自由に(好き勝手に?)歌っている劇団員たちも、ちょっぴり戸惑っているようです。
(個人の部がおカタい曲ばかりだったので、合唱の部は自由曲でのびのび歌ってもらいました。)
さあ、結果はどうだったのでしょう。

音楽を構築する技術。
言葉を伝える技術。

そのふたつに心がのって初めて『歌』となる。
どんなに情熱があっても、それを表現できなければ何も伝わらない。やはり技術が必要なのです。
いつかきっと、自分の想いが歌に乗って自由に翔んでいけるはず。
その日を信じて、今は地を這う虫のように、地味〜に努力を続けて行きましょう!

2008/4/14