【劇団かかし座 バレエ発表会 報告】
上演部 
澤谷未来

劇団かかし座は、影絵専門の劇団でありますが、週に2回、クラシックバレエのレッスンがあり、劇団員が汗を流しています。影絵劇とクラシックバレエは何か関係があるの?と思われがちですが、手影絵を演じる際の指先の細かな動きや、体のさばき方、そして何より舞台上での立つ姿勢に大きく関わってきます。
さる2007年8月9日、かかし座の中でのバレエの発表会が行われました。今回の発表会では、いくつかの新しい試みに取り組みました。

まず、1月から演目を決め、通常レッスンの後に発表会のための補講をもうけました。なぜかといいますと、過去の発表会では、いつも本番の2ヶ月ぐらい前から慌てて振りをおぼえ、なんとか間に合った、ということがほとんどだったんです。ですから、上演で忙しくなる5月6月の前にある程度おぼえてしまおうという作戦だったのですが、これが見事に成功。当初は不安だった新人たちも一定のレベルまでアップするという相乗効果がありました。

それから、以前までの発表会では、1人ずつ踊るソロがメインでしたが、パドドゥと呼ばれる2人組で踊る演目も加えました。自分だけで踊るソロと違い、パドドゥは常にパートナーのことを考えなければなりません(特にフォローがメインの男性ですが)。それに2人で踊る時間をつくる、というのも非常に重要であり、また難関だったと思います。おのおのの踊りを見ていると、ソロの方がのびのびと踊る人や、2人の方が自分の力を出せる人とさまざまで、見ていて興味深かったです。

更に今回は、【点数による評価】を導入しました。バレエの先生方に、表現力、技術力等要素別に点数をつけてもらい、それらの総合評価で自分がどの程度のレベルなのか、何が足りないのか、を感じてもらいました。歌や手影絵の発表会でもそうですが、はっきりとした数値として出るものは時として酷です。しかしだからこそ、そのエネルギーで次へ向かっていけるのだとぼくは思っています。

かかし座のバレエ発表会は、今回で4回目を迎えました。初めて担当をやらせていただき、戸惑いや苦労もありましたが、その分得るものも大きかったと実感しています。この経験を下地に、2008年4月に開催されるアートアンフィニーのバレエ発表会、そしてこれからのかかし座のバレエを盛り上げていきたいと思っております。ぼくにとって踊りは、諸先輩方に対抗できる今のところの唯一の武器です。これを活かしつつ、歌も演技も影絵も、『おお!』といわれるようになりたいと思っています。